特集:卵巣の病気と東洋医学(漢方薬・鍼灸)
卵巣チョコレート膿腫、卵巣炎、卵管炎、卵管狭窄、卵巣癌)
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特集:卵巣の病気

卵巣のう腫=ほとんどが良性だが、ほっておくのはよくない。
卵巣チョコレートのう腫=子宮内膜症の一種
卵巣腫瘍=病状もさまざまだが、良性か悪性かはっきりさせる
卵管炎・卵巣炎=発熱をともなう下腹部の痛みがある
卵管水腫=卵管炎を患った結果、起こる病気
卵巣出血=排卵がある女性は、だれにでも起こる可能性がある
卵巣がん=ひそかに進行する病気



大特集:卵巣の病気

「卵巣のう腫」 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大

「卵巣のう腫」=ほとんどが良性であるが、適切な治療をすること、ほっておくのはよくない。
卵巣のう腫は、自覚症状がないが、のう腫が大きくなってくると、
①下腹部に、ふくれた感じがある
②腰痛がある
③下腹部に激しい痛みを感じることがある
嚢腫が「こぶし大」くらいになるまで、自覚症状がない。
卵巣のう腫は健康診断でみつかることがほとんど、

卵巣嚢腫の特徴
卵巣はアーモンド大から親指大くらいの臓器で、左右にひとつずつある。
卵巣のう腫は、この卵巣に液体状の成分がたまって風船のようにはれる病気。
卵巣のう腫は、3種類ある。
①「漿液性のう胞腺腫」、②「粘液性のう胞腺腫」、③「皮様のう腫」 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
①漿液性のう胞腺腫=もっとも多い=卵巣にできる膿瘍の約25%がこれ。
のう腫は袋のような形のものがひとつひとつできる場合と、いくつもの袋がブドウの房のようにできる場合がある。
袋の中にたまるのは薄い黄色の透明な液で水のようにサラッとしている。
どの年代の女性にもできる可能性はあるが、20代の女性に多くみられる。
卵巣の両側に発生し、袋は楕円形や円形で大きなものでは成人の頭くらいになる。
自覚症状がないため、かなり大きくなるまで、気づかないケースが多いが、膿腫の茎の部分がねじれると、下腹部に激しい痛みを感じる。
②粘液性のう胞腺腫=片側の卵巣だけにできることが多く、更年期以降の女性に多い。
放っておくと、どんどん大きくなり、腹腔全体にまで膨れ上がることもある。
袋の中身は白色や黄色、褐色の粘りのある液体。
まれに袋が破れて粘液が腹腔内にあふれでて、腹腔内の臓器に癒着を起こすことがある(腹膜儀粘液腫)。
③皮様膿腫=成熟期の女性に多く、片側にできることが多い=まれに両側にできる。
袋のなかには髪の毛や歯、骨、筋肉などが含まれている。
妊娠にともなってできることもあり、妊娠中に見つかることも多い。
卵巣膿腫は、ほとんどが良性であるが、悪性に変化することもある。
膿腫が大きくなってくると、臓器を圧迫=頻尿(膀胱や尿管の圧迫)や便秘(腸の圧迫)が起きる。
また、不正出血があったり、おりものが水っぽくなったりする。
茎捻転が起きた場合は緊急事態=下腹部の激しい痛み、吐き気や出血、意識不明に陥ることもある。
茎捻転が起きるのは膿腫が5~7センチ程度に育ってからが多い。

卵巣嚢腫の治療法
膿腫が小さい間は経過をみる。 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
手術が行われるのは通常5センチ以上の大きさになってから。
手術には、開腹手術と腹腔鏡手術がある。
病巣だけを摘出する「のう腫核出術」と、のう腫ができている卵巣を全部摘出する卵巣摘出術がある。
(卵巣は2つあるので、一方を摘出しても、一応、妊娠・出産には問題はないが、後遺症はある。

卵巣膿腫の診断=内診やエコー検査などを行う。
のう腫ができていることを告げられたら、のう腫の大きさ、どの位置にできているのか、
手術が必要か(また、将来、必要になる可能性はあるのか)、
手術する場合=病巣以外にどの程度卵巣を摘出するのか=妊娠への影響はどうなのか



「卵巣チョコレート膿腫」 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大

「卵巣チョコレート膿腫(子宮内膜症の一種)」=多いのは20代から30代
卵巣チョコレート膿腫の症状
①生理中以外にも下腹部に強い痛みが続いている
②腰痛に悩まされている
③セックスのときに下腹部に痛みがある
④不正出血がある
⑤排便のときに痛みを感じる
卵巣チョコレート膿腫ではこれらの症状があらわれます。多いのは20代から30代です。

卵巣チョコレート膿腫の特徴
卵巣は、盛んに女性ホルモンを分泌して、激しく変化を繰り返す臓器。
そのため腫瘍もできやすく、病気の種類も多い。
卵巣チョコレート膿腫=子宮内膜症の一種=卵巣の中に子宮内膜ができる。
卵巣に子宮内膜ができると、その部分の袋の中に血液がたまり、どろどろの血液でいっぱいになる。
その血液の状態が、チョコレートに似ていることから、この名前がある。
子宮以外の部分に、子宮内膜ができる原因は不明。
卵巣チョコレート膿腫は、食生活などの生活環境の変化にともなって増えている傾向がある。
環境変化が、どこかで影響しているのは間違いない。
初経年齢が低くなり、出産年齢が高くなった=女性の体のなかで、女性ホルモンが長期間働くようになったことも関係がある。

卵巣チョコレート膿腫ができた卵巣は腫れあがり、周囲の臓器を圧迫し、臓器に癒着をおこす。
上記症状がでるのはそのためである。
膿腫が小さいうちは自覚症状なし=子宮ガン検診などを受けた際に、たまたまみつかるというケースが多い。
膿腫が大きくなると、茎の部分が捻じれる茎捻転が起こりやすくなる。
吐き気と下腹部に激痛が起こりショック状態になり、さらに膿腫が大きくなると破裂が起こる。
溜まっていたチョコレート状の血液が腹腔内に溢れ出し激しい痛みに襲われる。
これらの場合は緊急手術が必要。
卵巣チョコレート膿腫は、卵巣を包み込む卵胞の成熟を妨げたり、卵管などに癒着して受精の妨げになることもある=不妊症の原因になる。

卵巣チョコレート膿腫の治療 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
卵巣は、体の奥にあるため、子宮や膣などのように簡単に組織を採取して病気の有無を調べるわけにはいかない。
診断には超音波検査(エコー)やMRI検査を使う=腫瘍マーカーの数値も参考になる。
卵巣チョコレート膿腫の治療には、ホルモン剤を投与して、一時的に生理がない状態をつくり、のう腫が大きくなるのを抑える=偽閉経療法
閉経状態にすることで膿腫を委縮させる効果を狙ったもの=のう腫が小さくなり消滅するほどの効果はない。
ホルモン剤は、点鼻薬か注射で投与されるが、副作用が強いため長期間の投与はできない。
通常、6か月間で終了し、少し休んでまた6カ月間続けることを繰り返す。
卵巣チョコレート膿腫が大きくなるようなら外科手術を行う。
腹腔鏡を使う腹腔鏡下手術が主流=小さな穴をいくつか開けて、そこから腹腔鏡を挿入し病巣を取り去る。
摘出するのも卵巣全体ではなく、膿腫だけですむケースもある=将来の妊娠・出産への希望も持てる。
卵巣チョコレート膿腫の大きさや位置、状態によっては開腹手術で卵巣を摘出するケースもある。
エコーを見ながら膿腫に穴を開け、膿腫の中身を抜いて、そこにアルコールを注入する方法もある。
アルコールで、卵巣チョコレート膿腫を作る細胞を働かなくしてしまう方法=入院の必要なし=
卵巣チョコレート膿腫の中身の状態によって処置の時間が異なる=ドロドロの具体が強ければそれだけ時間がかかる。

妊娠・出産の可能性について、ホルモン剤の副作用、手術の方法について確認しておく。



「卵巣腫瘍」 → 調合漢方薬服用可能

卵巣腫瘍=繊細な臓器なので病状もさまざまある=「卵巣のう腫」や「卵巣チョコレート膿腫」も卵巣腫瘍の一種。
卵巣腫瘍の症状
①下腹部に膨れた感じがある。
②腰痛がある。
③下腹部に激しい痛みを感じる。

卵巣腫瘍の種類
①卵巣のう腫のように袋の中に液体状のものがたまる
②硬いこぶのようなものができる=「充実性腫瘍」=良性、中間型、悪性に分かれる。

卵巣腫瘍の特徴
充実性腫瘍は、卵巣腫瘍の1割程度で、残りの90%は卵巣膿腫。
充実性腫瘍
①良性=繊維腫、莢膜細胞腫、類副腎腫、②中間型では男化腫瘍、顆粒膜細胞腫、未分化胚細胞腫、③悪性では卵巣がん、肉腫、繊毛上皮腫などが代表的な病気。

良性卵巣腫瘍 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
①卵巣繊維腫=更年期以降の女性に多くみられる=腫瘍はゆるやかに大きくなっていく=70%くらいで胸水が発生する=マイグス症候群=繊維腫を取り除けば胸水もなくなる。
②莢膜細胞腫=30代から更年期以降の女性に多くみられる=腫瘍から卵胞ホルモンが分泌される=そのため閉経後でも不正出血があったりする=胸水や腹水がみられる。
③類副腎腫=30代の女性に多い=副腎皮質の組織が、卵巣のなかに入り込んでしまう=腫瘍からは男性ホルモン(アムドロジェン)が分泌される=体に男性化現象が起こる
=生理不順、声が低くなる、多毛、クリトリスの肥大、不妊=女性の特徴が失われていく=腫瘍を切除すれば男性化現象もなくなる。
この3つの腫瘍は良性なので、適切な治療を受ければ完治する。

中間型卵巣腫瘍 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能
①男化腫瘍=文字通り、腫瘍から男性ホルモンが分泌され、男性的になっていく病気。
成熟期前半の女性に多く、2割くらいは悪性腫瘍の場合がある。
②顆粒膜細胞腫=幅広い年代の女性にみられ、腫瘍からは卵胞ホルモンが分泌される。
低年齢でこの腫瘍ができると、初経の時期が早まったり、乳房が膨らんでくるなどの現象がおこる。
ごくまれに、この腫瘍のために幼稚園児に生理がはじまったというケースもある。
成熟期の女性では、不正出血があり、閉経後の女性も出血することがある。
③未分化胚細胞腫=若い女性に多く、8割くらいは20代前半の女性に起こる=卵巣の発育が悪い女性に起こりやすくい
=腫瘍はどんどん大きくなっていき、悪性化する可能性も高い。

悪性卵巣腫瘍 → 調合漢方薬服用可能
①卵巣がん 治療法=腫瘍の種類、進行状態(大きさ)、腫瘍の位置などによって変わる。
病状が進み、腫瘍が大きくなっている場合は外科手術になる。
卵巣腫瘍の場合は、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けて考える
良性腫瘍の「卵巣膿腫」は、手術前に、悪性腫瘍(ガン癌)でないことを100%確認できないため開腹手術になる場合が多い。
卵巣膿腫より充実性腫瘍のほうが悪性である可能性が高い。
腹腔鏡下手術と卵巣の全摘出手術がある。
腹腔鏡下手術=お腹の中で主要部分をいくつかの断片に分けて取り出す。
良性の腫瘍であれば問題のない手術であるが、悪性の場合は断片に分けることによってがん細胞が飛び散るリスクが高い。
そのため、腫瘍摘出には、確実な開腹手術が選択されることが多い。
充実性腫瘍の種類は多種多様=できているのがどの腫瘍で、どんな症状を引き起こすのか、選択する手術の確実性と、術後に何か変化があるのか、など、
病気を正確に知るための情報を集める。



「卵管炎・卵巣炎」 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大

卵管炎・卵巣炎=発熱をともなう下腹部の痛みがある
卵管炎・卵巣炎の症状
①痛みに発熱が伴っている。
急に、下腹部に激痛が起こるときは、卵管炎である可能性が高い。
卵管炎では40度近い高熱が出て、下腹部が激しく痛む。
その時点で、婦人科の専門医の診断を受ける。

卵管炎・卵巣炎の特徴
①卵管炎は、クラミジアや淋菌、大腸菌などに感染して卵管が炎症を起こす病気。
原因は、セックスや人口中絶、自然流産、出産などのさいに膣がそれらの菌に感染し、子宮から卵管へと侵入すると起こる。
また、コンドームやタンポンの出し忘れが原因になる場合もある。
急性症状として、下腹部の痛みと発熱がある。症状が進むと、おりものが増え、子宮からの出血がみられる。
嘔吐や冷や汗がでる。慢性化することも多く、急性卵管炎の1/4は、慢性化する。
セックスの度に痛みを感じる、下腹部が痛む、腰痛、生理痛などが慢性化したら卵管炎の慢性化の可能性大。
急性にくらべて程度は軽いが、卵管の中の粘膜が肥厚したり、組織に癒着が起こるため、卵管が狭くなってしまう。
さらに進行すれば、「卵管水腫」に発展しかねない。慢性化した段階で、不妊症や子宮外妊娠の原因になる。
②卵巣炎=炎症が進行して卵巣にまで広がったもの。
卵管は炎症を起こしやすいが、卵巣は炎症には強く単独の卵巣炎はごくまれ。
卵巣炎は、卵管炎に合併して起こることが多い=両者が併発した状態を、「子宮付属器炎」と呼ぶ。

卵管は、射精された精子をキャッチしてその内部で受精させ、受精卵を子宮内に運ぶ重要な役目を担っている器官。
生命の誕生に関わる重要な機能を失う病気が卵管炎なので、初期症状を見逃さず、素早い対応をしてください。

卵管炎・卵巣炎の治療 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
炎症を鎮めるために抗生物質を投与する。
原因になっている菌を確かめ、それにあった抗生物質を投与する。
急性のうちに、できるだけ早く治療を開始し、完全に治してしまうこと。
治療が不完全で、慢性化してしまうと、抗生物質の効き目も悪くなり、やがては卵管水腫となって手術以外に方法がなくなる。
抗生物質の投与中は安静にすること。

慢性化した卵管炎では症状は軽いが、何かの要因で症状がぶり返すことがある。
激しい運動やセックスがその引き金になることもある。


「卵管水腫」 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大

卵管水腫=卵管炎を患った結果起こる病気
卵管水腫の症状
下腹部の痛みは、卵管水腫にともなう症状で一番多い。
①原因のわからない発熱がある。
②膿のようなおりものが出る。
③おりものに血液が混じる。
卵管水腫は、それ自体がいきなり発生しない=卵管炎を患った結果としてかかる病気。

卵管水腫の特徴
卵管炎は、クラミジアや淋病などの感染によって起こるが、その段階で治療せず、炎症が慢性化してしまうと、
卵管内の粘液が癒着を起こし卵管の一部が閉塞してしまう=そのような状態になった卵管に水のような分泌物がたまるのが卵管水腫。
下腹部に差し込むような痛みがあるのが典型的な症状。
卵管が閉じ、水(のようなもの)がたまっているわけで、卵管の働きは阻害され、不妊症になる。
卵管に膿がたまる場合は、「卵管膿腫」という。

卵管水腫の検査
卵管水腫の診断は、MRI検査、腹腔鏡検査がある。
おへその下から直径5ミリ程度のスコープ(腹腔鏡)を入れて、子宮や卵管の状態、癒着の状態をみる
卵管水腫、卵管膿腫があれば確実にわかる。

卵管水腫の治療 → 調合漢方薬服用可能、鍼灸治療併用可能→効果大
腹腔鏡を使って閉じている卵管を通す処置が行われる。
改善が期待できないときは、水腫(膿腫)を切除する外科手術を行う。


「卵巣出血」

卵巣出血=排卵がある女性は、誰でも起こる可能性がある。
卵巣出血の症状=生理の時以外に、下腹部に強い痛みを感じる場合は、卵巣出血も考えられる。
①痛みは排卵の時期に起こる。
生理が順調な女性は、生理が始まってから14日頃に排卵が起こる=下腹部の痛みが、その時期と重なっているなら、卵巣出血の疑いがある。
卵巣出血の特徴
卵子が卵巣から膣腔内に飛び出すのが排卵。
生理が終わる頃から、女性の体は、卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増える=その結果、子宮内膜の壁が厚くなる。
排卵の直前に、エストロゲンの分泌量は、もっとも多くなり、それに合わせるように排卵に必要な黄体形成ホルモンが分泌され、排卵がおきる。
その後、卵子は、卵管にキャッチされるが、卵子を膣腔内に送り出した卵巣は、必ず傷がつく。
小さい傷で、出血も少量なら、まったく問題ないが、出血量が多い場合、それが腹膜を圧迫して下腹部痛を引き起こす=卵巣出血
痛みは、猛烈で、出血量が多い場合はショック状態を起こす。
なぜ、卵巣出血が起こるのか、その原因は不明。
そう多い病気ではないが、排卵がある女性には、誰でも起こる可能性はある。

卵巣出血の治療方法
対症療法として、止血剤や鎮痛剤を投与する。
排卵は、毎回あるので、毎回卵巣を傷つけることになる、そこで排卵を抑えるピルが使われることもある。
ピルの服用で排卵がなくなれば、卵巣を傷つけることもなくなり、出血による下腹部の痛みからも解放される。
妊娠を望んでいる場合は、ピルは使えない。
当面、妊娠の予定がない女性には、かなり有効、避妊と下腹部痛の解消が同時に行えるので一石二鳥ともいえる。
ピルは、排卵に関係してる卵胞ホルモンと黄体ホルモンが合成されている。
ピルを服用すれば、脳は、この二つのホルモンが十分に足りていると判断して、ホルモンを出す指令を出さなくなる
=そこで卵巣は排卵に必要なホルモンを分泌せず、排卵が起こらなくなる。
ピルには副作用がある=実際に、副作用が気になる人も多い。
ピルは含有する卵胞ホルモンの濃度によって高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルに分類される。
排卵抑制のために使われるのは、低用量ピルで、副作用の心配は少ない。
1日15本以上たばこを吸う人、極度の肥満の人、乳がんや子宮がんのある人、高血圧や肝臓に病気のある人は、ピルが投与できない。
ピルは、毎日1錠ずつ、21錠服用して、その後、7日間は何も飲まないタイプと、
21錠飲んだあと、7日間は偽薬(プラセボ=何も成分が入っていないもの)を飲むタイプがある。
出血量が多く、痛みに耐えられない場合は、外科手術を行う。
手術は、状態によって血のかたまりを取り除いたり、卵巣の一部を切除したりする。
下腹部の激しい痛みが起こるのは卵巣出血だけではない=卵巣膿腫、子宮内膜症、卵管炎、子宮外妊娠といった病気も、下腹部痛をともなう。
卵巣出血以外の病気の可能性について、専門医に確認すること。
卵巣出血の手術を受けたのに、痛みがぶり返し、今度は子宮内膜症と診断されたという患者さんもいる。



「卵巣がん」

卵巣がん=ひそかに進行する病気

卵巣癌の症状=下腹部痛や不正出血などがあらわれる
卵巣癌=その他の気になるの症状
①体重の変化=おなかがふくれている
②さわるとしこりを感じる
③頻尿や便秘気味
④下肢にむくみがある

卵巣は腫瘍ができやすい臓器であるが、体の奥にあるため自覚症状がでにくい。
ひそかに進行する=サイレンドガン(沈黙のガン)と呼ばれる。
早期発見には、定期検診が必要。

卵巣がんの特徴
卵巣にできる腫瘍は良性のものがほとんど=85%程度は良性=悪性であるケースは15%ほど=この悪性腫瘍が卵巣がん。
卵巣がんの90%は卵巣の表面の細胞が癌化する上皮性腫瘍、
その次に多いのが卵子のもとである胚細胞ががんになる卵巣胚細胞腫瘍。
卵巣がんは40代以降の女性に多いが、20代でも発症する。
原因は不明であるが、食生活が欧米化してきた過程と卵巣がんの増加傾向が一致している=動物性脂肪やたんぱく質の摂取の増加と関連がある。
出産の経験がない人、最初の妊娠が35歳以降の人、未婚の女性などは、リスクが高い=排卵の回数が多いため
ピルを使用するなど、排卵回数が少ない人は、リスクは低い。
遺伝との関係もあり、卵巣がんの10%は遺伝性
卵巣がんになった人が、1~2等身にいる人は、そうでない人にくらべて3~4倍卵巣がんになりやすい。
70歳までに卵巣がんになる確率は50%
卵巣癌の初期では自覚症状がない=卵巣がんの特徴
体の異変を感じるのは、かなりガンが進行してからである。
①下腹部に圧迫感がある。
②ふれるとしこりを感じる。
③腫瘍で膀胱が圧迫されて頻尿になる。
④胸水がたまって息切れをする。
などの症状があらわれるようになる。

卵巣は、体の奥にあるため、細胞や組織を摂取して検査することが難しく、確実に診断するためには手術して、直接、腫瘍を取り出して検査する。
通常は、超音波検査やMRI検査であるが、これらの検査では、あくまで推定診断しかできない。腫瘍マーカーも判定の参考にはなるが、これも早期発見は難しい。
卵巣がんであることが確定したら、摘出手術を行う。
摘出する部位、部分、全摘するかは、進行状態や年齢、妊娠、出産の希望の有無などによって決める。
20代、30代でこれから妊娠、出産を希望する場合は、腫瘍部分だけを切除して抗がん剤などの化学療法を併用する。
ガンのある卵巣だけを摘出し、もうひとつを残すこともできる。
閉経が近い女性の場合ーリスクをできるだけ回避するために両方の卵巣を摘出する=場合によっては、子宮も同時に摘出することもある。
卵巣がんのステージ分類
 1期…ガンが卵巣だけにとどまっている
 2期…卵巣の周囲の子宮や膀胱などの腹膜に転移がみられる。
 3期…上腹部にも転移している。
 4期…膣腔外に転移している、あるいは肝臓に転移している。
ステージごとの5年生存率は、1期が90%、2期70%、3期30%、4期10%となる。
卵巣癌は、発見が難しいだけに定期検診は重要=最低年に1回、できれば半年に1回、検診を受ける。

卵巣癌は、妊娠・出産と深く関わっている病気なので、あなたのライフスタイルを医師に明確に告げ、それに沿うよう治療法を選択する。



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特集:子宮の病気

子宮筋腫=良性のこぶだから、あわてないできちんと対処
子宮膣部びらん=心配いらない「仮性びらん」がほとんどです
子宮頸管炎=放置しておくと、不妊の原因になる
子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ=子宮内膜の過剰反応が原因
子宮内膜炎=おりものが変だなと思ったらすぐ専門家に相談
子宮内膜症=生理がある女性の1割は、もっている
子宮ガン=最良の方法を選択する

特集:卵巣の病気

卵巣のう腫=ほとんどが良性だが、ほっておくのはよくない。
卵巣チョコレートのう腫=子宮内膜症の一種
卵巣腫瘍=病状もさまざまだが、良性か悪性かはっきりさせる
卵管炎・卵巣炎=発熱をともなう下腹部の痛みがある
卵管水腫=卵管炎を患った結果、起こる病気
卵巣出血=排卵がある女性は、だれにでも起こる可能性がある
卵巣がん=ひそかに進行する病気

特集:バストの病気=「しこり」に注意する

乳腺症・のう胞=心配ないが、ほっておくのはよくない。
乳腺炎=授乳中に、乳腺が炎症をおこす。
乳腺線維腺腫=バストにできるしこり(95%は良性)
乳管内乳頭腫=乳管に良性のポリープができる
乳がん=最良の方法を選択する

特集:感染症

クラミジア感染症=自覚症状が少ない
トリコモナス膣炎=恥ずかしがらずに、すぐ病院へ
カンジダ膣炎=湿ったところが好きなカビの一種
尖圭コンジローム=見た目でわかる
性器ヘルペス=放っておくと、かゆみが強くなる
淋病=おりものが増えたと感じる
非特異性膣炎=きつい下着やGパンが誘因
バルトリン腺炎・のう胞=抗生物質の服用でほとんどが治る
外陰炎=清潔にすることがいちばんの予防

特集:不妊症(男性不妊、女性不妊) 専門家に相談

「不妊症」についての正しい知識をもつ
基礎体温をつける
子宮・卵管・頸管のチェック
排卵機能のチェック
パートナーのチェック

  

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「最先端の鍼灸治療」 大山宗伯東洋医学記念館鍼灸治療室
(不妊症専門鍼灸治療室:完全予約制) TEL: 0283-22-1607

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